楽しみいっぱい 心のこもったリフォーム
「ええ具合になるかね」「まかしてください」
家のリフォームをするときは、業者との信頼を最優先に工事を進めたいと考えていた。世知辛い世の中だからそう簡単にいい巡り合いが出来るとは思っていなかったが、幸運にも素敵なご縁に恵まれた。
どこに頼んだらいいのか分からないままに電話帳をめくっていたが決め手はない。考えあぐねていたとき、となりの畑で擁壁の工事が始まった。きちんとあいさつの出来る職人さんと知り合った。黙々と働いていた。そういう人が好きだ。
それが「マルコシ」とのご縁のきっかけ。近所のYさんの娘さんが建築士として勤めているという。早速相談した。山野幸恵さんと江原文男さんが来てくれた。よく話を聴いてくれた。江原さんは口数は少ないが、いつもニコニコしてわがままを叶えてくれた。
わずかなリフォーム計画がオール電化にまでなった
当初、一部の増改築について話しているうちに、江原さんから全体のリフォームをしてはと勧められた。
口車に乗せられた訳ではないし、強引に押し込まれたのでもない。住まいの財産価値や、これからの暮らしについて話しているうちにそうなった。
費用は当初の倍以上になったが、納得しているので後悔はしていない。新設したウォークインクローゼットは広くて気に入っている。たくさんある服、帽子、靴なども、これからは使い勝手を考えて収納できる。季節やTPOに合わせてファッションも楽しめる。
淡いピンク色のシステムキッチン_copy.jpg
LDKは広くなったし、何よりも導線がよくなった。淡いピンク色のシステムキッチンがとても気に入っている。使い方は慣れなければならないが、大きな楽しみの一つ。
浴室も淡いピンク色のインテリアでまとめた。冬温かく、掃除も簡単、それに滑らない構造なので安心している。これからは少しずつ体の動きも衰えるに違いない。老後の準備もこれでOK!
家を建てたときはすべてお任せだった。今回のリフォームでは、江原さんや山野さんの意見を参考にしながら自分で決めた。ずいぶん頭を回転させたが、その分だけ完成後の楽しみが増えた。キッチンや浴室、それにトイレ、洗面の機器。加えて照明器具の選定やスイッチ
工事中の仮住居が予想以に快適
工事中はマルコシ四階にある仮住居で暮らした。コンパクトな造りだが、夫婦だけの暮らしに不満はない。必要最小限の器など持参したが、生活に不自由はなかった。この経験を生かして家に帰っても、出来るだけシンプルに暮らしたい。
毎朝五時には自宅に戻り、たくさん飼育している魚の餌やり。犬や猫の世話に散歩、周囲の道の清掃。庭木の手入れも怠らない。暮らしの環境は自己責任で整えなければならないし、他人様に迷惑をかけたくない。午前七時には仮住居に戻り、支度をして出勤する。このリズムがいい。
仮住居で暮らすようになってびっくりしたのは、朝早くから社員が黙々と清掃している姿。雨が降っても風が吹いても変わらない。掃除用具も整理整頓してあるし、雨のあと合羽が干してあるのを見ると背筋がシャンとする。しかも、社内だけではない。それぞれ担当場所があり、バス停などにも出掛けている。
掃除はすべてを良くする原動力に
フォーラムに掲載されている鍵山秀三郎さんの「きれいなところをきれいにする」掃除の考え方に賛同している。きれいを維持してこそ価値がある。かつて福岡の支店へ再建に行ったことがある。掃除をきちんとすると仕事の効率をよくする。まわりを汚さなくなる。動きが機敏になる。率先垂範が出来るようになる。
みんなほうきの使い方がほんものだ。道行く人たちにあいさつをしている。子どもにも笑顔を向けている。企業を信頼する条件はいろいろあるが、福岡の支店を再建したプロセスから考えて、掃除がきちんと出来ると会社は一級品と言える。
良いことは何度も繰り返し、長い年月を続けなければ本物にはなれない。悪というものはたとえ小さなものでも一回で悪。ところが善というものは、何十回、何百回やってもなかなか認められない。掃除も同じ。
マルコシの掃除は毎日は別として、通学路、公園トイレ、JRトイレ、学校トイレなど、公的な活動が千二百回を超えたそうだ。まだ年月の「洗礼」の受け方
が足りないと相談役さんは話していたが、場を清めることは当たり前の行いなのだろう。掃除活動は平成二年にスタートして二十年を超えたそうだ。
マルコシにリフォームを依頼して「本当によかった」と実感している。江原さん、山野さんには感謝でいっぱいだ。