時を経ながら良くなる住まい
時を経ながら良くなる住まい
一部を残したもののほぼ全面リフォームをして三年が経過。内装に無垢材を多く使ったせいか、年を重ねながら満足度が高くなっています。
多少預金通帳は目減りしますが、材料をけちらなくて良かったと思っています。
定年後のリフォームですから、もう一度とは行きませんからね。やはり吟味しながら、後悔しないようプランして良かったですね。
様式は和洋にこだわりませんが、リラックスできる雰囲気がいい。
現役時代のように、肩の凝る来客もありませんし、自由に背伸び出来るのが一番です。
設備はできるだけハイグレードに
少し無理かなと思いながら、ショールームで良い商品を見ると心が動きます。
予算はここまで|と堅い決心をしていても、まだこの先二十年は使うのだからと妥協しながら、つい予算オーバーしてしまいます。
でも暮らしてみると、デラックスな機器類に囲まれていると満足感が違います。
後悔しないためにも、多少無理する方がいいですね。
たとえばお風呂はゆったりくつろげる方がいい。
浴槽に浸かって足を縮めるようでは、一日の疲れが残ります。
これまでよりもお風呂で過ごす時間が、圧倒的に長くなりました。
カラスの行水から、フロ大好き人間に変身中。
キッチンはフル装備で食事を楽しむべし
最近は食生活の変化でキッチンの滞留時間が、十年前に比べて半減しているそうです。
スーパーや惣菜屋さんに行けば、大抵の食材が揃っています。
手軽に食事は出来ますが、それではわが家の味を失います。
親に教わった伝統の料理を、頑張って後世に伝えたいですね。
でもいつの間にか横着になってしまい、便利さを求めるのは時代の変化でしょうか。
思い切ってキッチンはフル装備にして正解。以前にも増して主婦の時間は、雑用に追われて限られてきます。
食器洗い機、IHヒーター、昇降ウォール、引き出し式の収納など、上手に使いこなしながら、作る楽しみ、味わう喜びを満喫しています。
きっと主人も歓迎してくれていると思います。
生活コストが下がり安心なオール電化
ガスの検針をしている友人からの情報ですが、ここ数年オール電化のお宅が増え、担当地域の検針件数が三〇%も減ったそうです。
その分だけ収入が減り、小遣いにも事欠くとか。
わが家もリフォームを機会にガスコンロはIHヒーターに、ガス給湯器はエコキュートに変えました。
エアコンも含めて熱源経費はこれまでの四〇%に。おかげで家計は大助かりです。
これから年齢を重ねるごとに「うっかり」が増えてきます。特に火災は恐いですからね。
中国電力の宣伝をしているのではなく、日々の暮らしで実感していることです。
もう一つの安全,明るさとバリアフリー
還暦になると視力が衰えて、若い人の一・五倍の生活照度が必要です。
自然の光を取り入れる工夫に加えて、照明器具の明るさ、取り付けの位置なども大切なポイントになります。
特に手元の灯りには、細心の配慮が必要ですね。
お風呂で読書をする習慣のある人は、規定品より一回り大きめがお薦めです。
バリアフリーも絶対条件。
家庭内事故の大半は、フロアーのわずかな高低さで発生します。
時には思いがけない大事故につながることも…。
わが家では小さな孫たちが走り回っても、敷居につまづくこともなく安心して見ていられます。
玄関をお洒落にすると暮らしが瑞々しい
玄関をお洒落にすると暮らしが瑞々しい
玄関ホールは和風のインテリアですが、下駄箱は奮発して秋田杉の無垢材で造られた味わいのある品を選びました。
カウンターの上には手作りの欅の花台。
いつも季節の花が迎えてくれるようになりましたが、実に十数年ぶりの復活です。
ふくいくとした木の香りと、季節の花の匂いが渾然と溶け合って迎えてくれます。いい雰囲気ですね。
リフォームは単にリニューアルするだけでなく、暮らしの質をアップしますね。
決してぜいたくな日々を過ごしている訳ではありませんが、つましさの中に心豊かな満足感が生まれます。
こうすれば良かったと気になるところも
リフォームして三年も暮らしていると、気になるところもたくさんでてきます。
開きドアは可能なかぎり引き戸が良い。アルミサッシはペアガラスにすべき。結露防止になります。
内壁といえども防音性を高くするのがベスト。
間仕切りを取り払って、大きな部屋にすると使い勝手が良くなる。
階段は掛け替えて勾配を緩やかに|などなど。
もう一度チャンスがあれば、気になるところを解消したいと願っています。
文責:この記事はお施主様夫妻のインタビューから構成しました。
岡元美紀恵