平成24年6月22日(No5664) 高齢者雇用安定法の改正
投稿日:2012.06.22
高齢者雇用安定法の改正
消費税増税と社会保障制度の一体化法案が、与野党三党が修正案を決めたにもかかわらず、民主党内は反対の大合唱でもめている。漢字が並ぶとややこしく感じるが、要するに老齢年金が支払えなくなったから、支給開始を遅らしながら財政再建をはかるというもの。元々定年は60歳で一般化しており、退職したら年金を貰ってつましく暮らすと決まっていた。
制度発足当時の平均寿命は76歳。働く若者はいっぱいおり、高齢者を支えることに問題はなかった。ところが予測された少子高齢化社会に政治の対応が遅れ、制度維持は後手後手に回ってしまった。お金がないから年金の支給開始が60歳から65歳に引き上げられる。そうなれば5年間無収入になるから定年延長を法律で定めるということになった次第。
2025年に会社員が加入する厚生年金の支払い開始が65歳になる。企業としては法律による負担が激増するから反対する。改正から4年後には企業負担は3,6兆円に増加。企業としては勤務日数を減らしワークシェアリングを実施する。賃金を引き下げる、若者の雇用を減らす、若手社員の昇給・昇格制度を見直すなどの措置が必要になる。
賃金を減らすか、雇用を減らしてでも従わなければならない。平均寿命は益々伸びる。現役の負担は増え続ける。負のスパイラルに入る。まだ先のように感じられるが、給料などへの影響は50歳位から出始める。なんだかんだ揉めたとしても雇用安定法は改正される。65歳までの継続雇用義務も決まる。すでにリタイアしている高齢者への影響は少ないが、現役世代はモロに法改正の影響を受けることになる。