平成23年10月15日(No5413)  お仕着せ研修は難しい 

お仕着せ研修は難しい

AMIニュース(コンサルタントとちのさんの習慣情報)によると、講師を務めている商工会議所のセミナー参加者が激減したらしい。定員15名で6名の参加だから、ショックは大きい。2日目は更に減った。とちのさんは講師の責任ではないかと、録音テープを聞きパワーポイントのチェックもしている。その姿勢は大切だが、原因はほかにもありそうだ。

 

私もかつては何度も研修講師を務めた経験があるが、お仕着せは熱が入らないし、独自性を出すことも憚られる。商工会議所や中小企業大学などの研修は、与えられたノルマを果たすのが精いっぱいで、ニーズの調査や内容の検討まで至らないのではないか。参加者の数は、担当者の評価に影響はない。研修はコンサルタントの力が正当に評価される自前がいい。

 

実際に研修の講師を務めるとき、どうしてもお義理の講義になりやすい。何よりも相手の情報がまるでないものだから、それぞれに伝わるような研修になりにくい。受講者は大抵の場合、上司の指示で参加している。自ら求めているわけではないから、研修の終了で役目が終わる。企業の社内研修だと情報も与えられるし、こちらの取組み姿勢も意気込みも違う。

 

かつて著名な経営研究所の講師を一年間(6回)務めたことがある。講師料も高額でメリットはあったが、参加者の熱意が伝わってこない。事情を聞いて驚いた。ある部長職「社長の指示で仕方なく参加している。勉強してこれ以上忙しくなっては身が持たない」と告白。他も大同小異。一年で辞退した。報酬を得ても役に立たなければ、遣り甲斐は得られない。

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