平成30年1月8日(№7532) 改善されない教員の「働き方改革」

改善されない教員の「働き方改革」

年末と新年にわが家の三世代が全員揃った総勢15人である。娘夫婦は中学校の教員であるが、孫の長男も高校の教員になるという。現職の教員もこれからの教員も、「働き方の改革」については詳しく知らない。小学校では2020年度から英語が教科になり、授業時間は増える。そもそも多くの学校現場では、労務管理のイロハである教員の勤務時間を知らない。

 

大半の学校が教員の出退勤時間をタイムカードやパソコンで記録していない。出勤時はハンコを押すものの退勤時は報告や目視で確認と言ういい加減さである。なぜ勤務時間の管理がおろそかになるのか。その一因として40年以上も前から今も適用されている「教職員給与特別措置法」の存在がある。1948年の給与改定により、一般の公務員より4%程度高い。

 

そのため残業代を支払わないことが決まり、それが管理をおろそかにした要因らしい。4%は当時の残業時間(8時間)に相当する金額として算出された。その後「学習指導要領」の改訂による指導内容の拡大などで教員の勤務時間は増え続けている。勤務実態とのズレが指摘されて久しいが、残業代を支払う必要がないため、学校側の勤務時間の管理意識は低い。

 

教員は学校が担うべきでない仕事を多く担当している。目撃するだけでも、登下校の見守り。最近は掃除もくっついている。放課後や夜間の見回り。給食費の徴収や管理。地域ボランティアとの連絡調整。教育委員会や区役所の調査への回答。中学校の土日の部活動の指導時間は、計算できないほど大きい。わが家の娘夫婦は1ヵ月60時間を超える。出費も多い。

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