平成25年9月13日(No6112)   心配を背負う

心配を背負う

【松下幸之助・成功の金言 №365】現在の経営者には侍以上の覚悟がいると思います。自分の生命は死に直面しており、企業はまた倒産に直結している。そういう綱渡りをしているのだ、というような意識を一面に持っていなければいけないのではないでしょうか。それを安閑とのんびりやっているようでは、ほんとうの経営者とはいえないでしょう。

 

酒を飲んでワイワイ言っていても、常にそういう危険性を負っているのだ、みんなの責任を負わされているのだと意識しているかどうか。しかも、それを意識していてなお酒をおいしく飲むというようにならないといけないと思います。意識したところまではいいけども、意識したために心配で酒が美味しくないと言うようでは、経営者としては失格でしょう。

 

社長というものは従業員が一万人いれば、一万人分の心配を背負って行くものです。ですから心配で夜も眠れないというときもあります。眠れないからつらい、苦しい。しかし、その辛いところが社長のいきがいです。社長が心配しないでのんびりやれる会社などありえない。眠れなかったり、煩悶したりしている社長の姿こそ社長の姿です。そこに社長としての生きがいがあります。そういう考え方に立つことが、今日の経営者に求められているのではと思います(原文のまま)

 

ときおり「PHP」より松下幸之助金言集は届けられるが、その語り口や内容は鍵山秀三郎さんと酷似している。おそらく鍵山さんは松下さんの一言一句を噛み締めて学ばれたに違いない。「MDS」の小河二郎会長にも共通した経営観や人生観を持っておられる。しかし、語り口はやや直裁で分かりやすい。言わんとされることがストレートに響いてくるからいい。

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