平成25年8月17日(No6085) 小さすぎる器
投稿日:2013.08.17
小さすぎる器
安倍首相が10日間の夏休みを取られるという。もっとも12日と15日は公務があるから正味20日間となる。首相に就任してから休まず働いておられる。東北大震災の復興支援の訪問、アセアン諸国をはじめとする外交訪問。側近が休めと勧めても頑として聞かないそうだ。毎週届くメルマガを拝見しながら、そのバイタリティに党派を超えて拍手を送りたい。
「大規模水害で犠牲者が出ている中、笑顔でゴルフに興じる首相の神経はまったく理解出来ない」。10日間の夏休みについても「被災された人々は休みどころではない。首相も国民とともにあって欲しい」。気持ちは分からないでもないが、落ち目になると重箱の隅をほじくりたくなるらしい。野党第一党である民主党の大畠章宏・新幹事長の記者会見の弁である。
二度も国政選挙で壊滅的な敗北を喫しながら、民主党は気楽な万年野党に戻ろうというのか。国政復帰を目指すならもう少し度量の広いところを見せて欲しいものだ。アベノミクスは選挙で国民に信任された。海江田代表も批判のための批判を続けているが、やっかみや揚げ足取りを止め民主党らしい代案を示すべきだろう。それなのに何の議論も始まらない。
当分は国政選挙もない、衆参のねじれ現象も解消した。よほど野党がしっかりした論戦を挑まなければ、自民党が多数を背景に暴走するかもしれない。実効のある成長戦略、社会保障制度の改革、消費税増税問題、TPP問題、集団的自衛権の行使容認、憲法改正の論議など、なすべきことは山ほどあるのに、問題が分かっていても改善出来ない体質は健在だ。
民主党は選挙の責任を取るべき人間が居座る。みんなの党は痴話喧嘩ですっかりガタガタになってしまった。維新の会も二頭政治を解消出来ない。これでは国民の理解は得られない。