平成25年8月14日(No6082) 倒産しないために(タナベリポートより)
投稿日:2013.08.14
倒産しないために(タナベリポートより)
アベノミクスの効果は庶民に届かないようだが、株高、円安は日本の経済に好影響をもたらしている。厚生年金などの運用益は10兆円を超えるというから凄い。トヨタの今期決算は純利益1兆8千億円に上る。マツダも好調で385億円の純利益を計上する。不振の電機業界も黒字決算になりそうだ。しかし、好調企業ばかりではない。倒産情報は毎日届く。
倒産企業には共通項がある。大抵の場合、トップの専制経営(人の言うことを聞かない)、幹部の危機意識(うちは大丈夫)の不足にある。少し具体的にしてみよう。◆「目的・目標」がないため、組織というより集団になっている。共通目的や貢献意欲を持たないから、社員が指示待ち人間ばかりになる。多くは社長の独り舞台になるが、この症状は経営ではない。
トップは社員に目指すべきゴールを明示し、ゴールに向う道標を示さなければならない。「計画なくして実行なし」。◆決めたことが実行できず、個人最適のバラバラ集団。計画しても実行しないので会議も雑談と同じになる。社内に諦めムードが蔓延する。この症状はトップ(部門長)の思いつき経営になる。朝令暮改で方針がコロコロ変わる。言いっ放しになる。
◆やりっ放しで成果の共有も失敗要因分析もしない。やっても評価されないため、実行出来ない集団に逆戻りする。気合系トップによる無茶の押し付けから起こるケースが多い。要因は社員のモチベーションが低いこと。ポイントは重点を絞ることと要因を分析すること。「あれもやれ、これもやれ」では社員が持たない。ここまでくると企業の風土病と言える。
この会社に必要なのはトップが強烈な危機意識の中で「会社を変える」ほどの発信をし、風土改革を断行することで社員の意識を根底から動かすことにある。出来なければ倒産する。