平成25年6月15日(No6022)   一生続く官僚の無責任体質

一生続く官僚の無責任体質

今年のプロ野球はホームランが乱れ飛び、打撃戦は見るものにとって面白い。意外性もあり翌日の新聞を見て大逆転劇に驚くことも多い。従来より飛距離の出にくい低反発級は国際大会に備えて2011年に導入された。2012年のホームラン数は一試合に1,02本だったが、今年は1,50本に増えた。プロの技量が発揮されれば、投手戦、打撃戦どちらも大歓迎。

 

ところが問題が発生した。日本プロ野球機構(NPB)は、ホームラン数の激増の理由を?バットの改良?、打者の適応力とし、加藤コミッショナーも「何も変えていない」と公言してきた。またメーカーに対しても、統一球の問い合わせについては「まったく変わっていない」と回答するよう指示したという。選手会は労働条件に関わるとして事実の解明を求めた。

 

隠蔽することがどんな利益を生むのか分からないが、コミッショナーは事実を隠し続けた。官僚という生き物は厚かましい。元外務政務次官の加藤良三コミッショナーは「隠蔽するつもりはなかった」と記者会見で選手、ファン、球団に謝罪した。当然のことながら隠蔽の責任を取るのかと思いきや「不祥事とは考えていない」と辞任を否定した。びっくりした。

 

コミッショナーは事実を把握したのは6月11日、自らは変更の指示にも隠蔽にも一切関与していない、知らなかったと主張した。知らなかったから自分には責任がないと言うことだろう。長い官僚生活ではそういう無責任体質が通用したのかも知れないが、今回ばかりはそんな甘ちゃんは通用しないのではないか。選手の契約にも重要な問題が発生する。

 

それにしても日本の官僚の最高の地位である事務次官にまで上り詰め、駐米大使まで歴任したキャリアが、新しい仕事に携っても無責任体質を背負ったままとは余りにも情けない。

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