平成25年2月21日(No5908) 価格とは何かを考える
投稿日:2013.02.21
価格とは何かを考える
今年に入って全国ネットのリフォーム店「ナカヤマ」と「ニッカホーム」が、安佐南区に華々しくオープンした。同区は広島市の最大のベッドタウン。地場の大手「ヤマネ」も「トータテ」も出店している。量販店の「デオデオ」「ヤマダ電器」、加えてホームセンターの「ダイキ」「西村ジョイ」もリフォームではしのぎを削っている。最大の激戦地に変貌した
先週オープンした「ニッカホーム」は、受注は安売り価格のチラシをベースにしている。新聞の折り込みチラシを見ると機器価格の7~8割引には恐怖感を覚える。評判の良いアベノミクスとは対極にある。国会の論議や学者・評論家の考え方も、一部を除いてデフレ克服の政策を是として歓迎している。しかし、現実は安値で消費者の関心を惹き付ける作戦だ。
先週オープンした「ニッカホーム」は近いこともあり、数名の社員が日曜日を利用して偵察に赴いた。意外にも動揺していないことにホッとした。新人社員は就職活動を装ってトップや幹部と面談したらしい。その度胸に驚いた。その会社に働く魅力を感じたか、の問いに「ぜんぜん・・・」。平和な日本から戦場のアルジェに紛れ込んだような気持ちではないか。
あらためて価格とは何か、考えさせられた。顧客にとり「一番良いもの」が一番安いのであって、「一番安いもの」が良いとは限らない。価格が高いか安いかだけを問題視しない。提供する価値に対して正しいか、誤っているか、などと屁理屈をこねてみたが、競争に対する不安は払拭しない。価格とは「値段」ではない。「値打ち」のことだと己に言い聞かせた。