平成25年12月2日(No6192)   ごみを探す

ごみを探す

時間のやりくりが厳しくなって旅行どころではなかったのだが、前々から決めていたので妻と二泊三日のツアーに参加した。行く先は「絵葉書を見るような伊豆半島巡り」。さいわい3日間とも快晴で富士山の素晴らしさを堪能した。修善寺を観光して帰途、富士山の裾野が海と一体化している姿に出会った。清水港から伊豆に向うフェリーから眺めると絶景の由。

 

紅葉の季節とあって観光地はいずれも車は渋滞し、人の群れに揉まれた。自然の恵みとはいえ魅力溢れる半島は、何度も足を運びたいほどの美しさを備えている。至るところに温泉の街がある。いつの日か温泉と景色を堪能しながら、半島を巡りたいものだ。東伊豆からは朝日が、西伊豆からは夕陽が美しい。水平線まで見事に晴れ渡り、黄金色の帯が長く続く。

 

いつもの旅や出張と同じように未明からウォーキングとごみ拾いをする。日の出は午前6時42分だが、ホテルを5時に出発し砂浜を歩く。ゴミを拾いながら日の出を待つ。6時ごろから東の空が白みはじめ、少しずつ煌いていた星が消えてゆく。やがてオレンジ色に染まり、やがて黄金色に変わる。丸い太陽が地平線の彼方に姿を見せ、超スピードで昇る。

 

午前8時、バスがスタート。運転手の朝のあいさつ。「感動的な光景に出会った。赤いマフラーをしたダンディな男性が、黙々とゴミを拾っている。日の出に映えて美しい。わが社のお客さまであることを誇りに思う」。ここまでオーバーに褒められると穴があったら入りたいほど照れる。ポリ袋を二つも持っていたそうな。他愛ない習慣だが、認められると嬉しい。

 

著名観光地だからか極めてゴミが少ない。ゴミを「拾う」というより「探す」という表現がぴったりくる。それでもゼロではない。人はきれいなところにゴミは捨てない。

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