平成23年8月3日(No5340) お客さま通信簿
投稿日:2011.08.03
お客さま通信簿
工事が終わって最後のごあいさつのとき、お客様の工事に対する感想を知るため「お客さま通信簿」の記入をお願いしている。返送先は社長。目的はお客様の率直な意見を取り入れ、業務の改善に役立てることにある。現実問題として言いたいことがあっても控えられるお客様が多く、結果的にはパフォーマンスに終わりやすい。でもマイナスではない。
良い制度はあればどこかで生きる。トイレリフォームおよび周辺工事をさせていただいたK様から「我が家のリフォームの件」なるタイトルで4,428字(400字詰原稿用紙13枚分)の堂々たるリポートが届いた。一見、クレームと錯覚する内容だが、読み返してみるとコンサルタントにありがちな机上の空論ではなく、多くの示唆を含んだ現場教科書である。
担当したのは金本社員であるが、初回訪問時から完工までのいきさつや客の思いが理路整然とまとめてある。社員と意見交換しながら独自の研修を進めているが、現場のディティールは残念ながら見えていない。上司と新人のOJTでもここまでは行き届かない。お客の立場で考えるのが商売の王道であるが、求めているもののほとんど分からないのが現実だ。
お客様と金本社員の詳細なやりとりと、客の立場としての不平不満や要望、建前に過ぎない「お客さま第一主義」に対するアドバイスなどなど、分かりやすい金言で埋め尽くされている。このことは金本社員の問題ではない。社長はじめ全社員に対するK氏の好意あるプレゼントだ。ありがたく天の声として受け止めた。フルに役立たせていただきたい。