平成23年4月19日(No5234) 言った、言わないの不毛論議
投稿日:2011.04.19
言った、言わないの不毛論議
クレームの時に一番問題になるのが「言った、言わない」の水掛け論。打ち合わせのときに内容をメモしておき、双方がサインしておけば少なくとも記録をベースに話ができる。信頼関係があれば、ことによったらそんな面倒は不要の場合がある。先日の菅直人首相と松本健一内閣参与の話し合いの後、菅首相の発言として松本参与が明らかにした。
内容が福島原発の避難対象区域は「10年か20年か、それともずっと住めないのか…」が物議をかもした。この程度の軽はずみな菅発言は珍しくないので「またか」。ところがこの発言を聞いた被災地の皆さんは怒った。あわてて菅首相は「私は言っていない」と松本参与に電話した。松本氏は「私の推測だった」と発言を撤回した。首相の面子を立てた格好だ。
どちらが言ったとかの問題ではない。首相と内閣参与の間で出た話だから、菅内閣発の「故郷を捨てよ」との心ない言葉に違いはない。鳩山内閣のときから続いているが、軽い発言が簡単に表に出る。表に出れば冗談でも、重石を付けて内閣発言となる。「谷垣さん、副総理として内閣に入ってくれませんか」と、根回しもなく電話で気軽に語りかける人である。
関東大震災の時は1カ月で復興法案と予算が出来て前に進んだ。関西大地震の時は1カ月で必要な法律が11本も成立していた。今回は未曾有の大震災と騒いでいるけれども、肝心の内閣はやっと「復興構想会議」を立ち上げた。内閣参与も15人、各種対策本部の立ち上げは20本。船頭多くして皆山に登る。これほどのアホたちとは、あきれ果てている。