平成22年10月17日(No5050) 工事受注のバランス
投稿日:2010.10.17
工事受注のバランス
今週の現場は大型工事が中心で動いている。10数年前は当たり前だったが商圏が成熟した今は珍しい。増築工事の上棟直後の光景や基礎養生の白いシートなど眩しく感じる。現実に工事が小型化の傾向にありながら、相次ぐ大型工事の注文は何が要因なのか、検証する必要がありそうだ。単純な理由ではないと思うが、今後の営業展開には欠かせない。
リフォーム事業の鍵は一日当たりの施工高と、現場の回転率が生命線になる。大型工事の見栄えはいいが、施工期間がロングになると採算性に問題が生じる。例えば1000万円の工事が100日掛かれば、一日当たり10万円の施工高になる。150万円の浴室リフォームが5日で完工すれば、一日30万円の施工高となる。採算ラインは一日20万前後。
一日20万の施工高なら6現場が一年中フル回転すれば、年間の計画に到達する。10万円なら12現場、5万円だと24現場が必要だが、残念ながらそこまでのキャパはない。こうした観点で工事の規模を考えると、合理化への道が開けるというもの。1000万円の工事だと50日で完工すれば、一日の施工高が20万円だから労せずして採算ラインに乗る。
さらに資金回転からも考えなければならない。総合して考えると売上に寄与する大型、資金の回転に有利な中型、将来の受注に欠かせない小型、これらのバランスが取れると経営は安定する。しかし、そう都合よくは行かないが、そうなるような仕掛けが必要となる。地域貢献や広報活動が欠かせないポイント。ランチェスター戦略が一層重みを増してくる。