平成26年11月8日(No6533) 消費税10%の行方
消費税10%の行方
4月に消費税が引き上げられ国民の生活にどのような影響があったか、国の立場で、企業の立場で、個人の暮らしの立場で語られている。かつて消費税が3%、5%に引き上げられたときに比べ、国民は比較的おおらかな気持ちで受け入れたようでまとめ買いなどの兆候はあまり見られなかった。そればかりか将来の社会保証のため容認する雰囲気もあった。
我が社では駆け込み需要の増加などでビジネスの上では潤い、社員たちにも多くはないけれど配分にあずかった。相対総体的には是認の雰囲気である。続いて来年の11月からはさらに2%が増税され、消費税二桁の新時代に入る。すでに法律では増税が決まっているが、経済条項が付随されており延期または廃止は不可能ではない。柳の下に泥鰌はいるのか。
日本政府は2020年度には基礎的財政収支を黒字化するという国際公約を掲げており、政局がらみや世論の反対を受けて簡単にストップという状況にはない。安倍内閣は景気の動向を見て慎重に判断すると言っているが、これは世論を慮ったポーズに過ぎず、結局、増税は実施されると見ている。全体を眺めても増税中止のリスクは余りに大きいと考えられる。
結論としては予定通り10%に増税される。見方はいろいろだが4月の8%増税時の駆け込みの需要はない。逆に消費が竦む恐れがあると考えたほうがいい。その前提でビジネスをどのように展開するか、これから作戦を立てる必要に迫られている。政府はどのように言い訳するか分からないが、国民が納得するまで丁寧な説明責任が求められる。結果は同じ。
しかし、増税はこれで終わりではない。健康保険、社会保険などはまだ上がる。実入りは確実に下がる。覚悟が必要だ。