平成24年4月16日(No5597) 三代目の不気味
三代目の不気味
北朝鮮が自信満々で打ち上げた人工衛星(長距離弾道ミサイル?) は、あっという間に爆発・空中分解し、海の藻屑と消えた。超秘密主義の独裁国は何故か打ち上げの模様をプレスセンターまで設営し、大スクリーンを備えてメディアに公開した。よほどの自信があったに違いない。日本も迎撃ミサイルを要所に備え、国と国民を守る万全の準備?をしていた。
三代目は満座の中で大恥をかかされ、関係者に容赦のない粛清をすると思いきや、祖父と父の功績を称える巨大銅像の除幕式に手を振って現れた。実況された映像では、失敗など微塵も感じさせない笑顔だった。一瞬にして1900万人の1年間の食料費、約700億円が消えてしまった。それなのに笑顔で手を振るさまは、なんとも不気味で後が怖い。
打ち上げ失敗は日本にとっていくつものプレゼントをしてくれた。実害がなかったのはその一つだが、最大のラッキーは日本政府が危機管理に無能であることを事実で証明してくれたことだ。全国瞬時警報システム「アラート」は、東日本大震災の「スピーディ」同様に使われなかった。情報が得られなかったのか、それとも得ていたのに発表しなかったのか。
万全な迎撃体制を整えていると野田佳彦首相は胸を張っていたが、150kmも上昇し1分も飛んでいたミサイルをレーダーは捉え切れなかった。日本の防衛体制は、国・国民を守るために何の役にも立たなかった証である。これでは外国勢に甘く見られる。無能な防衛大臣の責任追及も結構だが、事実関係の検証が急がれる。丸裸の手ぶらでは危なくて歩けない。