平成27年10月4日(№6863) 道を開く(松下幸之助著)
道を開く(松下幸之助著)
「道」 自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。上りもあれば下りもある。坦々とした道もあれば、かき分けかき分け汗する時もある。
この道が果たして良いのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、今歩んでいるこの道、ともかくこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。
他人の道に心を奪われ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しも開けない。道を開くためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。
皆さんに読むことを勧めている松下幸之助著「道を開く」の第一章(運命を切り開くために)の第一節である。自分に与えられた道は覚悟を持って自分の足で歩けと教えておられる。人生の第一歩は自分の道を歩くことから始まる。好き嫌いは言えない。嫌いな道なら好きになれば良いだけのことである。
第一章はさらに続く。「素直に生きる」「志を立てよう」「手さぐりの人生」「自然とともに」「さまざま」「真剣勝負」「若葉の峠」「是非善悪以前」「病を味わう」「生と死」へと続く。これまでの人生でも多くのピンチに遭遇したが、その都度、珠玉の言葉に助けられ、今がある。人生はまだまだ続いていく。