平成26年9月23日(No6487) 一強多弱の吉凶
一強多弱の吉凶
民主党の海江田代表が胸を張った「再生加速」の人事を見て「あれ?」と違和感を覚えた人が多いのではないか。新人事の中核をなす人たちはいずれも民主党凋落の元凶たち、これで国民の信頼が獲得できるほど世の中は甘くない。新執行部は福島第一原発事故の菅内閣のとき、右往左往した役立たずが勢揃いしている。このメンバーで再生とは厚かまし過ぎる。
維新の党も野党再編の起爆剤として結党した。日本維新の会を氷解させた要因の一つである、二代表制、二本部制、異質の役員体制で一枚岩とはいかない。集団自衛権や憲法の在り方についても基本的に考え方が異なる二人が握手した。肝心のところで空中分解する体質を秘めている。国家観もまるで違う。民主党にも袖にされ、野党再編への道は極めて厳しい。
みんなの党はまたしても渡辺前代表のわがままで再び分裂しそうな勢いである。もはや野党再編の数合わせにもならない。社民党や生活の党は消えてしまったも同然である。共産党は独自路線で誰も相手にしない。次世代の党は唯一つまともな野党であるが、いかんせん発信力が弱い。それに自民党よりも右と言われるほど、他の野党とは一線を画している。
2009年9月に58%もあった民主党の支持率は、僅か4年で5%にまで凋落した。民意は完全に民主党を見放している。再びあの熱狂が取り戻せるとは思えない。一強の安倍内閣は一層強力な新体制で再スタートした。我こそはと手を上げる度胸のある後継は見当たらない。消費税増税、原発再稼働、集団自衛権など課題はあるが、内閣ががたつくほどではない。
少なくとも安倍内閣は6年続く。まともであるだけに国民も安心している。だが、人々の暮らしは決して楽にならないね。