平成27年7月24日(№6791) 70歳の壁
70歳の壁
帝国データバンクの集計によると70歳を超える社長が増える傾向にあるという。一般的に社長の年齢が高いと内外に対する信用が得やすいが、企業としての活力や継続性の面ではマイナスに働くことが多い。最近指摘されているのは「団塊の世代」の社長か間もなく70歳を迎える。中小企業の生産性や成長性が鈍化するのではないかと危惧をされている。
企業倒産の年齢の内訳をみると70歳以上の社長が10年前に比べると2倍以上に増えている。企業の寿命を伸ばすためには、少なくとも社長は70歳になるまでに後進へ道を譲るのが正しい。その方が社員も安心して働ける。最近実感することであるが、いくら志が高くても、意欲があったとしても老化には勝てない。いろいろな機能が極めて低下している。
企業のピンチは年齢だけではない。帝国データバンクの調査では、いくつかの特徴が統計的に証明されている。「会社を潰す社長の十大トレンドを紹介する。まず五つの「弱い」は?①数字に弱い、②朝が弱い、③決断力が弱い、④パソコンに弱い、⑤人情に弱い。会社が赤字になっている理由が分からない社長は掃いて捨てるほど。これでは社員も安心できない。
続いて五つの「ない」。①計画性がない、②情報がない、③リーダーシップがない、④危機感がない、⑤人脈がない。計画性がない社長は「いつまでに、どれだけ、どうやって」という仕事の基本ができない。社員にきちんと説明できない、いわゆる「ドンブリ勘定」に陥りがち。①から⑤まで考えると問題点がいっぱい浮かび上がってくる。特に70歳以上に。
企業は永久に続かなければならない。社長は社員を幸せにする責任がある。70歳以上の社長は無理だと数字が教える。