平成22年11月30日(No5094) 「トイレの神様」大ヒット
「トイレの神様」大ヒット
鍵山秀三郎さんの穏やかな笑みが青空に浮かんだような朝である。「トイレの神様」が大ヒットし、植村花菜さんがNHKの紅白歌合戦に選ばれた。鈴木章さん、根岸英一さんのノーベル化学賞受賞以来、久々の明るい話題だ。新聞を賑わすのは中国、ロシア、北朝鮮とのトラブルや、役に立たない民主党内閣の失政による不毛な論争ばかりでウンザリしていた。
日刊紙のトップを飾ってもおかしくない話題なのに、マスメディアの扱いには不満がある。やっと11月28日の読売新聞・編集手帳欄が、まっとうに取り上げてくれた。鍵山さんの「トイレ磨き」が高く評価されて嬉しい。歌のヒット、紅白出場で、トイレ磨き活動に対する偏見が少しは是正されるのではないだろう か。10数年振りに紅白を見ることにする。
「トイレ掃除に学ぶ会」が平成5年、岐阜県恵那市の大正村で誕生して18年を超えた。スタート時はわずか30数名だったメンバーが全国で10万名を超える。陽の当たりにくい地味な活動だが、鍵山さんは創業以来50年もコツコツ続けておられる。後に続くものは増えているが、それでも九牛の一毛でしかない。残念なことだが誹謗中傷も後を絶たない。
『大手カー用品会社の創業者鍵山秀三郎さんは、10年にわたり黙々と社内のトイレ掃除を続けた。「トイレ掃除しかできない経営者」と笑われたこともある。社員が参加し始めて「社風」となり、各地の学校にもトイレ掃除は広まった。鍵山さん編著の近刊は「便器を磨けば子どもが変わる!」である』(読売新聞・編集手帳より抜粋)。自称一番弟子としては涙。