平成23年1月28日(No5153) 日本人以上に日本人
日本人以上に日本人
かねてからの念願だった大相撲初場所の千秋楽で「君が代」を斉唱することができた。欲張りなようだが出来ることなら土俵の近くで観戦したいと願っていた。ところが欲張った条件のせいか、不況の大相撲であっても簡単には届かない。向う正面・5列以内・花道・千秋楽のチケットが、五回目の申し込みで手に入った。大相撲は両国国技館に限る。堪能した。
14日目に横綱・白鵬の6場所連続18回目の優勝は決まっていたが、それで興味が削がれることはない。「君が代」はかねてからCDで練習を積んだ成果も あって、自己採点ではあるが堂々と歌えた。優勝インタビューで「昭和の名横綱・大鵬関の6連覇に並んだことが嬉しい」と「巨人、大鵬、玉子焼き」の懐かしい言葉を重ね、喜ばせてくれた。
横綱・大鵬は祖母の大のお気に入りで、14型の小さな白黒テレビで観戦しながら拍手を送っていた。亡くなる前の昭和36年、足の不自由な祖母を背負って「大相撲広島場所」を観戦した。戦争中も空襲警報の中で電灯を消し、聞こえにくいラジオにかじりついていた。戦後、ふるさとの白木町でも地方巡業があり、当時の横綱・照国にサインをもらった。
国技館の大相撲観戦は50年来の願いでもあり、結婚50年の節目に叶えられたのは天の導きでもあろう。若貴時代から日本人の横綱は途絶えているが、一人横綱の白鵬は威風堂々として品格があり、日本人以上に日本人らしいと感銘を受けた。国技だから日本人に横綱になって欲しいが、稀勢里、琴奨菊、豪栄道、豊ノ島、豊真将ら若手に希望の星が見えた。安佐北区出身の豊桜が、幕内で負け越したのは残念。
桝席は4人一組なので敬愛する丸山正信夫妻をお招きしたが、多用の日々にもかかわらず受けてくださった。興奮冷めやらぬまま、ちゃんこ料理店でおもてなしをいただいた。食事は何を食べるかよりも、誰と食べるかで味が違うと、鍵山秀三郎さんから聞いたことがある。今回はその言葉を実感した。胃がんの手術をして8年になるが、この日ほどたくさん食べたことはない。妻が驚くほどの健啖ぶりだった。感謝!