平成25年1月3日(No5859) 1月3日
1月3日
党首討論で野田前首相が「国会解散」を口走った途端、劇的な株高・円安シフトに動いた。現実には何も変わっていないが、選挙で自民党が大勝し民主党が大敗すると予想されたからだ。しかも自民党の総裁ははっきりものが言えるタカ派の安倍晋三だから、民主党の決められない政治にうんざりしていた市場は勝手に動き始める。期待感で辺りが明るくなった。
どうして政治の素人集団である民主党に日本の舵取りを任せてしまったのか、後悔する向きは少なくない。一義的には期待感をもって三年余り前の総選挙で、国民が政権交代を選択したことにある。確信があった訳ではないが、風が錯覚を起させた。その原因は堕落した自民党政権に帰する。まともな政権運営をしていれば、国民が民主党を選ぶこともなかった。
一旦愛想を尽かした自民党に、再び国民は政権を委ねた。よくよく思いつめたと思われる。民主党政権の素人政治で失ったものは余りにも大きい。選挙の戦い方、政権公約、素早い組閣、民主党政治の否定、矢継ぎ早の手の打ち方はさすがプロを感じさせる。経済再生のための金融緩和ねらいは、民主党も自民党も同じだが、暖簾の信用と具体的な動きは違った。
民主党は日銀の政策決定会議にオブザーバーで出席したが歯牙にもかけられず、安倍首相は口先一つで日銀を動かし格の違いを見せ付けた。安倍政権の金融政策、財政政策、成長戦略が上手く噛み合って機能するのか、プロでない身には判断できない。だが、何も決められないでは前に進めない。ともかく日本の政治は動き始めた。それだけでも価値がある。