平成25年2月1日(No5888) あれから10年
あれから10年
平成15年1月30日、高齢者の仲間入りした年に進行性癌に侵され、胃臓、脾臓、リンパの全摘出手術を受けた。不安はあったが恐怖感はなかった。宣告されて手術を自己都合で50日も伸ばしたため、病状は予想を超えて進んでいた。手術時の癌ランクは「ステージ3-B」。5年後生存率は36%にまで下がった。それでも手術は成功し、社会復帰できた。
あれから10年、新しい命を授かって10歳の誕生日を迎えることができた。幸いにも死の恐怖や癌の再発に怯えることもなく、主治医の言葉によると奇跡的に生き続けている。主治医、妻をはじめ家族、社員の皆さん、畏友の方々に励まされた。特に愛車の天井には快癒を願う鍵山秀三郎さんをはじめ、多くの方々から揮毫をいただいている。守られた。
トイレ磨きでご縁のあった日浦中学校の河田優子先生から、祝辞が届いた。「あのときのことが昨日のことのように思い出されます。精進の成果ですね。おめでとうございます」。手術の直後は心身ともに荒れていたし、三度も入退院を繰り返した。主治医の平林先生から「多くの癌患者が希望を持てるような生き方をして欲しい」と励まされた。生まれ変わった。
特に最近の5年間は他の評価は別として、「自利」を捨て「利他」の生き方に徹した積もりである。新しく授かった生命と自覚している。後期高齢者の仲間入りをしたが、心身ともに健康であり不安はない。只今のところ医者要らずで、10年前に比較すると皺が減り、髪は増え若返った。たくさんの方に助けられた恩を大切にし、ひたすら前を向いて生きたい。