平成25年2月23日(No5910) 差別化と独自化の違い
差別化と独自化の違い
先週の「住まいの物語」では「風呂のはなし」をテーマにしたが、ここで思いがけないシーンに出会った。講座が終わって2階のギャラリーに下りたとき、ゲストのTさんから介護用の浴室部材について質問があった。早速、担当の金本社員に説明を依頼した。Tさんのほかに2名の人が熱心に質問していた。講座やギャラリーの狙いはこのシーンにあった。
講座で売り込んだ訳ではない。これからの暮らしのスタイルについて少し注釈を加えただけだ。営業の手法としては全く新しい。1年も続けば商品を媒介としないビジネスが生まれると確信しているが、まさかこんなに早くとは思わなかった。これは新しい営業のスタイルである。商品を売っているのではない。ライフスタイルを提供しているに過ぎない。
ビジネスに勝つために「差別化」が必須だと言う。競争が激しい市場で差別化しようとすれば、どうしても価格との戦いに陥りがち。新しくオープンした安佐南区の大型リフォーム店は、価格で差別化を図っている。「独自化」はまだ他社がやっていない手法で先駆者になることだ。出来れば簡単に真似られない方がいい。真似るとしても時間が掛かる方がいい。
「独自化」は市場に新しい価値を提供するという意味ではイノベーションと位置付けられる。固定観念と過去の成功体験は、思考停止を招いてしまう。イベントでも同じ。昨年成功したことは二度とやらない。思考停止に陥るからだ。過去の成功体験に捉われていたら、新しい発想は生まれない。先程述べたシーンは、「売らないで売れる」新しい道を示している。