平成24年3月31日(No5581) パックリフォーム②
パックリフォーム②
量販店、大型電気店、住宅会社、有力リフォーム店、大手企業、いずれも「パックリフォーム」が全盛であり、業績も上げている。お客様のためになるか、企業が生き延びるかとは別問題だ。例えばよくある「坪当たりいくら」の場合、お客様としては出来るだけ多くを盛り込もうとするし、業者としては出来るだけ手抜きをしてコストを下げることを考える。
ゼロサムゲームの戦いとなる。看板である「お客様のために」など入り込む余地はない。スーパーなどで味より価格で、出来上がった加工食品を購入する。本来であれば食事は素材を購入してわが家で調理して食べるのが本流である。ところが出来上がりの惣菜を閉店前に安価で求めて、食卓で並べるだけが主流になった。「パックリフォーム」と同じ理屈だ。
もう一つの問題点はリフォーム店のプロが不要になるということ。口先が少し上手で、押しが少し強ければ、お客様を丸め込むのはさほど難しくない。時間を使って人材育成にコストを掛けなくて済む。教育など不要になる。しかし、それでは地域のリフォーム企業としては落第である。坪いくら、全部でいくらというほど、お客様を無視したやり方はない。
何よりも①高い提案力が求められる。お客様と共同作業が出来る人間性が必要だ。②コスト意識が求められる。工事単価を落とすのではなく(手抜き)、種類を減らして予算に合わせる。③複雑さをこなせる管理能力。結果として質の高い工事を低コストで出来る。分かりやすく言えば、建築士が営業能力を持つ集団ということか。「パック」に逃げないことだ。