平成27年1月9日(№6595) 民主党は生まれ変われるのか
民主党は生まれ変われるのか
先の総選挙で海江田万里代表が落選し、民主党は新しい代表を選ぶことになる。7日に告示され長妻昭元厚生労働相、細野剛志元幹事長、岡田克也代表代行の三氏が立候補を表明した。長妻氏は「国民は強い野党を渇望している」、細野氏は「失った信頼を取り戻す」、岡田氏は「党の原点回帰を」と共同記者会見で訴えた。何れも党の再生を訴えているが、果たして。
国民は安倍政権に対峙し得る強い野党を求めているが、必ずしも民主党の再生を願っている訳ではない。ここのところを勘違いすると万年野党として衰退する。三氏は立候補声明で党の再生を訴えているが、政権獲得の為の再生であれば自らの国家観を示すべきだろう。民主党が再生して政権を獲得したらこのような国づくりをすると明言しなければならない。
誰を選ぶのかも大事だが、折角の機会だから「どこへ進むのか」を論じきってもらいたい。現在、喫緊のテーマとなっている集団自衛権の問題、ТPPをどうするのか、既得権や癒着構造との闘い方、特定の労組のために政策を歪め、重要政策を先送りする体質、社会保障費用の負担の「痛み」、政権獲得までの行程など、徹底討論して国民の前に明らかにすべき。
三氏とも維新の党などとの合流や集団自衛権の問題など見解を異にしている。三人のうちの誰かが代表に選ばれるが、誰がなっても政権奪取などと恥ずかしくて唱えられまい。出自や立場が異なる議員をまとめるのは至難の技である。かつて政権奪取を合言葉に、曲がりなりにもまとまったのは、小沢一郎氏の豪腕があったればこそ。その豪腕も今はない。
いずれにしても国民の信頼を裏切った罪は、簡単に許されるはずもない。残念ながら民主党には核になる実力者はいない。