平成25年4月11日(No5957) 75歳の大問題③
75歳の大問題③
高齢者の身体機能(ものをつかめる、しゃがめる、食べ物をかめるなど、動作する能力)は随分若返っている。身体機能を測定するのに適しているのが「歩行スピード」。首都大学東京が調べた結果、2002年の75歳の歩行スピードは、 1992年の64歳と同じ、つまり11年も若返っている。食生活や医療、健康意識への高まりが高齢者の若返りを後押し(秋山氏)。
認知能力も加齢によって必ずしも全面的に衰えるわけではない。短期間、ものを記憶する力「短期記憶能力」は、加齢ともに低下する。しかし、日常問題を解決する能力や言語能力は、年齢と共に磨かれ、向上していくそうだ。これは個人の意欲による。身体機能や認知能力が衰えたお年寄りが地域に溢れると、町は事実上崩壊し、成り立たなくなる。
急速に自立能力が衰える年齢にはなったが、いまのところ90歳台になっても「男性の1割はピンピン」という仲間に入れそうである。一つの役割は高齢者のモデルになるということ。生活習慣や意識を変えれば、この程度の能力は維持できることをわが身で示すこと。そのためには仕事を続け、身体を鍛え続ける責任がある。とりあえず徒歩通勤は続けたい。
もう一つの役割は、高齢者の元気な身体や能力を活用するステージを設けると言うこと。簡単ではないが、勉強する場、働く場を提供すること。高齢者が元気で過ごせば、医療費も少なくなるだろうし、若い人の負担も軽くなってくる。少なくとも75歳までは何らかのカタチで社会に貢献し続け、自立して生きられる健康寿命を延ばす責任がある。夢物語かもしれないが、叶えたいものである。