平成25年5月11日(No5987) 松下幸之助の金言「聞き上手」
松下幸之助の金言「聞き上手」
「聞き上手になるということは、皆さんが今後おはじめになるお仕事のうえに非常 に大事なことであると思います。話し上手も非常に大事なことであると思います。しかし、話し上手よりも聞き上手のほうがさらにたいしたものだということを昔の人々が言うております。静かに考えて見ますと、私も本当にそうだという感じがいたします。人さんがいろいろな話をされる。それを心を込めて、なるほど そうですかというようによく聞いてあげる。すると話し相手は話し甲斐があって面白い。ますます熱を入れて話をする。そのうちにはいい話が飛び出すもんです。そのいい話をキャッチしていくところに、聞き上手の非常にプラスがあるとおもうんです」。
「話し上手も非常に大切である。けれども、話し上手は自分の持っているものを相手に与えるだけである。相手から吸収するものがないことを考えて見ますと、話し上手もなるほど結構でありますが、さらに聞き上手はさらに処世の上で大事なもんであるという昔の人々の教えは、非常に味わってみる必要があろうかと思うんです」。(松下幸之助発言集第11巻・原文のまま)。
非常に平易なお話ではあるが、味わいのある言葉である。聞き上手こそお客様を喜ばせ、中身が充実する商売の進め方はない。頷くだけでも構わないようなものであるが、そこには「質問力」が求められる。冗長は質問は焦点をぼやかすから、内容の「要約力」も磨きを掛けねばならない。ビジネスともなれば、クロージングに至る「技術力」も必要た。原点はすべて「聞く」という消極的にも見える心構えが、奥の深い道へ導いてくれる。どんなときでも「聞き上手」がベストである。