平成25年5月16日(No5992) パナソニックのCMが消えた
パナソニックのCMが消えた
ナショナルの「松下電器」から「パナソニック」に社名が変更になって7年になるが、未だに馴染めず商品に対する愛着も薄れ続けている。最近はテレビのコマーシャルにもとんとお目にかからなくなった。長寿番組の「水戸黄門」も消えたし、「明るいナショナル…みんなのナショナル」のCMソングも耳にしなくなった。家電商品が少ないのだから無理もない。
それに2年連続して7千億円超の赤字決算をしても、ビクともしない?のだから不沈戦艦なのか。残念ながらわが家にはパナソニック商品はない。家電商品はすべて他社。30年前住まいを新築したときはすべてナショナルだった。照明器具、キッチン、収納棚、掘り炬燵などは、すべて新築当時の生き残りの猛者たち。生きている限り頑固に使い続ける。
いまや主力商品は「BtoB(企業向けのビジネス)」が7割を占めるというから、「BtoC(一般消費者向けのビジネス)」は影が薄い。テレビをはじめとするデジタル家電、携帯電話、パソコンなどはお呼びではない。家電メーカーとして間もなく100周年を迎えるが、そのとき家電商品はまったく姿を消しているかもしれない。あり得ない話ではない。
創業から約50年、ナショナルとともに生きてきた身としては限りなく寂しい。5万店もあった「町の電気屋さん・ナショナルショップ」の人たちはどう生きているのか。ビジネスの世界はそれだけ激変しているが、残念ながら郷愁を覚えるだけで変化についていけない。45年前、松下電器創業50周年の広島大会で「神様・松下幸之助」の歌を聞かせてもらった。握手もしてもらった。そのときからナショナルファンになった。経営の秘訣はお客様をファン化することなのか。