平成25年5月28日(No6004) 80歳の快挙
80歳の快挙
元プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんが、80歳の高齢でエベレストの登頂に成功された。史上最高齢となる。生きていることさえ難しい年代の快挙は、高齢者に大きな勇気を与えた。登山の経験や知識がないだけにその凄さは実感できないが、健康状態やハードなトレーニングを考えるとまさに超人である。だれでも志を持てば出来ることを教える。
76歳のときスキーで骨盤と大腿骨を骨折した。それだけで人生は終わったと考えるのが普通なのに、不整脈の手術をはじめ難病を幾つか抱えていた。病気と丁寧に向き合いながら過酷なトレーニングを重ねた。常に20㌔の荷を背負い、足に5㌔の重石を付けてのウォーキングは、ただでさえ難儀と思っている身には考えられない。惜しみない拍手を贈りたい。
詩人、サミュエル・ウェルマンは『青春』で「年を重ねただけで人は老いない。理想を失ったときに初めて老いる」と詠んだ。まさに三浦さんは青春の真っ只中にいる。76歳のわが身など青春はこれからだといえる。6月に中国山脈越え100㌔ウォーキングの参加は都合でやめられたが、86歳の寺田一清先生は来年、四国八十八ヶ所の遍路歩きをされる計画だ。
古希記念では1400㌔の遍路を39日間で歩かれた。成功のためにすでにトレーニングを始めておられる。今回の計画も再現を目標にされている。体力と気力と年齢の限界に挑戦される姿は、三浦さんの成功が大きな刺激になっている。誘いはないと思うが、とても後を追う気力はない。当面は年齢を忘れて100㌔ウォークを成功させたい。わが青春である。
三浦さんが高齢者のために点した明かりは、すべての人の道しるべになる。「もう80歳」ではなく、「まだ80歳」だ。まだまだやれる! そう信じて夢を追いながら生きたい。