平成25年6月12日(No6019) 血税を食らうシロアリの群れ
血税を食らうシロアリの群れ
一般財団法人・広島県農林振興センターが、6月3日に広島地裁に民事再生法の適用を申請した。広島県の全額出資で設立された法人だが、負債総額は468億円、資産は5億5千万円。差額の463億円は債権放棄、つまり血税で決済される。この法人は分収造林事業をメインにしている。1965年に設立したが、1999年には不採算のため事業が破綻。
分収造林事業とは、山林の所有者と分収契約を交わして木を育て、成長を待って伐採時に販売収益を所有者と分け合い、投下資金を回収するというもの。しかし、設立して間もなく円高による影響で輸入木材が増加したことで国産材の価格は暴落。事業として成り立たなくなり、当然のことながら造林事業を中止。それから14年も県は血税を注ぎ込んできた。
468億円もの莫大な負債は何処へ行ったのか。14年も血税を垂れ流しにして、県当局は県民に対して申し開きができるのか。推測に過ぎないが血税を喰らったのは、天下りの理事や山林所有者たちか。事業をしていないのだから赤字は当然のこと。倒産状態の事業を粉飾決算で、倒産回避のため融資を継続。山林所有者へ支払いを継続。税金負担の先送り。
頭のいい奴らは税金を喰らうために知恵の限りを尽くす。事業を開始した時には既に分収造林など絵空事と分かっていながら、今日まで事業破綻を先延ばしにした責任は誰が取るのか。合法的であればどのように税金を無駄遣いしても罰せられない。事業が破綻した1999年に処理しておけば、血税の無駄遣いは減ったはずなのに、知っていながら見逃している。
まっとうな事業をして倒産した訳ではない。シロアリたちにいいように食い荒らさせて口を拭っている官僚たち。同罪である。県民は血税の行方に関心を持ち、怒るべきではないか。