平成27年3月10日(№6655) 顧客の心に訴える
顧客の心に訴える
小坂裕司氏の著書や講演などから学んでいるが、大量消費の時代は終わりモノそのものに価値を見出す消費者は激減した。平たく言えばモノは売れなくなったのである。販売する商品の価格にも価値を置く人たちは、これでもかと安売合戦を展開している。安くして売れるのならそれもいい。多くの人はモノが不要になっており、価格だけでは動いてくれない。
識者たちは「モノ」から「コト」へとシフトしろと指導する。モノを販売することしか知らない我々はコトでお客様の心を捉える商いに戸惑っている顧客の心を捉えて共感してもらう。商品やサービスの性能・機能、それに企業ブランドなどの優位性や価値を訴えるのではなく、体験や世界観という情緒的な付加価値を訴求することで顧客の共感を生み出す。
誰に何を伝えたいのか明確にする。従来のようにキャンペーンなどで販売しようとしても顧客に逃げられる。まずは「誰に」。具体的な顧客を意識しなければ「コト」の共感は得られない。100人の顧客がいれば100通りの物語が要る。それに共感してもらえれば商いになる。結果として「売る」から「売れる」にシフトする。いつの間にか「売れてしまった」。
ちょっとした雑談でもお洒落で楽しくなければ、お客様たちは社員を相手にしてくれない。お客様を楽しくさせ「コト」と「モノ」を発信する。驚くほど簡単に商いが成就すると小坂氏は言う。彼はそのストーリーの展開を「ワクワク商法」とネーミング。社員も店もお客もワクワク感で絆を創る。理解できればさほど難しくない。人のレベル=商いのレベル。
顧客にまた会いたいと思わせる。心待ちにさせる。それには多くの要件が必要だが、他社に比べれば相当前を歩いている。