平成25年9月22日(No6121) 社長の仕事
社長の仕事
かなり以前のことだが「仕事の5力」(聴く力、考える力、話す力、書く力、時間力)について研修したことがある。著者である白潟敏明さんの考え方には共鳴するところが多く、メルマガを届けてもらっている。表現が柔らかくて実に読みやすい。今週は「社長の仕事」。いまどんな仕事をしています?社長のもっとも 大切な仕事は?などと問い掛けが続く。
正答は社長の仕事は「会社を潰さないこと」。大半のトップはきちんと答えられる。社長が使っている時間は『今の稼ぎをつくる時間』と『将来の稼ぎを作る時間』のどちらが多いかという質問にちょっと詰まる。多くの社長は『将来の稼ぎをつくる時間』が大切だと思いながら、現実には『今の稼ぎをつくる時間』に注いでいる。そのうち会社が傾いてくる。
白潟さんは『今の稼ぎをつくる時間』を減らして、空き時間をつくり『将来の稼ぎをつくる時間』に回すように指導する。今の稼ぎは幹部につくってもらい、社長は将来の稼ぎをつくる方向へシフトして行く。権限を幹部に委譲する、そうすれば幹部の能力が高くなり、会社の今の稼ぎつくりは難しくないと言う。ところが現実には幹部に任せきれない社長が多い。
結果として幹部は自分の意見を言わなくなり、イエスマンとなる。任しきれない社長の下では働いても楽しくないから、チャンスがあれば去って行く。こんな会社は見込みがないと教える。ところが「仕切る楽しさ」を覚えると、そこからは簡単に抜け出せない。それ人間の持つ性(さが)の悲しさだと言う。白潟さんは「大将は大将の仕事をしろ」と教える。
分かっていながら「幹部や社員の仕事を奪う社長」の何と多いことかと嘆く。権限の委譲はそれほど難しい。だからコンサルタントの仕事は減らないと複雑な気持ちを覗かせる。