平成25年10月11日(No6140) 三つの念
三つの念
もう25年ほど昔になるが、経営指導の第一人者である田辺昇一さんの「タナベ経営」で講演させていただいたことがある。当時の私は小生意気で相当厚かましかったようだ。いまならとても畏れ多くて引き受けていない。致知出版のメルマガで田辺さんの言葉を見つけ、懐かしく思い出した。田辺さんは長身だったが頭の低い人だった。先に頭を上げられない。
会社には「匠」が必要だ。匠とは「最高の仕事をする人」を指す。匠とはどういう人か。田辺昇一さんの解説は明快だった。「伸びている会社にはね、必ず匠が何人もいる。何人匠がいるかで決まる。匠のいる会社は発展している。匠という人は「三つの念」を持っている。一つは「執念」。成功するまでやめないというと言う執念。いい加減な人は匠になれない。
二つ目は「丹念」。丁寧。真心を込めるということ。仕事に手抜きをしないことが丹念である。三つ目は「情念」。思いやりがある人、愛情が深い人。思いやりがないといい仕事は出来ない。思いやりはコミュニケーション能力と通じる。コミュニケーション能力は人間だけではない。情報も機会もこの能力がないとキャッチ出来ない。社員が匠になったらすごい。
そのためには匠になれる仕組みと、匠になる意欲がベストマッチになる必要がある。匠は良質なお客様に信頼され、良質な仕事に恵まれ、成果が上がるから仕事が楽しくなる。会社はそういう環境作りの責任がある。もちろんトップ、上司も同じである。理解していても唱えるだけでは前に進まない。仕事には数値と時間が欠かせない。「いつまでにどのくらい」。
タナベ経営からは毎週メルマガを届けてもらっている。経営のヒント、日々の仕事のヒント、生き方のヒントが満載である。みなさんにもディリーを通しておすそ分けしている。