平成25年10月23日(No6152) 地方に届かないアベノミクス
地方に届かないアベノミクス
アベノミクスの第三の矢ははっきりした姿を見せないが、地方の企業、まして零細企業には無縁の話に聞える。円が安くなり、株は高くなった。企業の含み資産は増え、資金も潤沢に回る。まことに結構な話で日本経済の先行きは明るく感じられる。しかし、それも株を持っていない身には関係のない話であり、円安は庶民のふところを確実に直撃している。
給料を上げて法人税を安くしてもらっても、もともと法人税を払っていない零細企業には縁のない話。来年4月から消費税がアップし、生活費の負担がさらに増す。これまで消費税をアップして生き延びた内閣はない。ところが、安倍内閣は消費税を上げた上に、さらに支持率も上げるという離れ業を見せている。この勢いで再来年の10月から10%に…。
アベノミクスで優遇されるのは、既に儲かっている大企業ばかり。大企業が利益を上げ続ける陰には、地方の疲弊がぴったりくっついている。採算のよくない工場の閉鎖、当然のことながら従業員の解雇、税収不足による地方財政の悪化をともなう。これからのことを考えると、多くの零細企業は不安がいっぱい。やがてアベノミクスなど頼れないことを悟る。
ここからが正念場。嘆いてみても何も始まらない。自主・自立の道を歩むと空元気を出し、独自の道筋を見出さなければ生き残れない。もっとも手軽な激安作戦を展開したところで一時しのぎにはなるがあっという間に行き詰る。働く社員のために、お客様のために、地域社会のために、共通する利益は何か、それさえ見つければ生き残りの道が歩けるはずだ。
共通の利益を見つけた企業だけが生き残りを許される。簡単に見つからないが、見つければしめたもの。どうすれば見つかるのか。それは大企業優遇のアベノミクスが教えてくれる。