平成25年10月25日(No6154) 遅れを取る
遅れを取る
おおむね癌を克服した6年前から365日、年中無休(夢求)で働いている。原則として一番出社、ラスト退社を心掛けている。明りの点いていない会社に出勤するのは心が重い。誰よりも早く出勤し、最後を確認する日々は社長を退いてからも変わらない。特に寒い朝などドアを開けると暖風を感じるとホッとする。かつての苦い体験が一日の習慣をつけさせた。
それでも年に数回は社員を残して退社、朝も遅れを取ることがあった。そのときでもどちらか片方である。日曜日は「竹の子学園・10月塾」が開かれた。世話係の金本さん、山野さんは終日奮闘、いつもならさっさと帰宅しているが、この日は違った。席についてパソコンを叩いている。残念ながら整体治療の時間が迫っていたので2人を残して退社した。
ここまではいい。一年のうち何回かある。ところが月曜日にいつものように午前6時出社したが、すでに金本さんは出社し、キーボードを叩いていた。これにはびっくりした。夜も朝も先手を取られたことは一度もない。消費税の駆け込みなどで引き合いが集中していることによる。先に出社する社員の存在を喜ぶべきだが、意識して続けていただけに悔しい。
年齢や立場から考えればそうまですることはないが、これから冬に向うと出社したときに部屋を暖かくしておかなければ申し訳ない。それは社員に対するささやかな思いやりでもある。いまのところ健康に支障はない。月曜日の遅れを繰り返さないように心して務めたい。誰かが早く出社し、事務所に明りが点っていると嬉しかった。その喜びが忘れられない。
夜遅く帰ったとき誰かが居残りをしてくれていたことも嬉しかった。暗い事務所の扉を開けたとき、疲れがどっと出ていた。今の時代は割り切るべきだろうが、昔風を続けたい。