平成25年11月16日(No6176) 消費税増税の恩恵と反動
消費税増税の恩恵と反動
大手の住宅会社の10月の受注は9月の駆け込み受注の反動で大幅減となった。現行の消費税率が適用される9月末までに駆け込み受注が集中。積水ハウスは前年同月比が、9月は74%増だったが10月は16%減。住友林業も30%の大幅減。「駆け込み需要も想定以上だったが、反動減も見通しより大きかった」(住友林業)特に大都市圏で顕著であるという。
住宅は契約から引渡しまで時間が掛かるため、来春の消費税増税に向けて「経過措置」が設けられた。9月までに契約しておけば、来年4月以降に引き渡しても現行の5%の税率が適用される。そのため9月の受注が増え、10月が反動減になった次第。今年度の住宅着工は95万戸と好調だが、来年度は80万戸程度まで需要が減ると予測する。打つ手は?
住宅ローンの減税は10年間で最大の4,00万円、年収510万以下を目安の「住まい給付金」も導入されるから、環境は悪くないそうだ。需要喚起には、太陽光パネル、蓄電池の装備などが目玉になり、住宅展示場では新技術や上質感を訴える作戦。少ない需要を奪い合う状況になるが、リフォームに対しても重点を置く。零細リフォーム店は存亡の危機に陥る。
リフォームの場合、契約から完成まで比較的時間が短いから、3月末までの完工見込み分が大型物件を中心に受注が増えている。10月、11月と契約高は大幅アップしている。しかし、大型物件は11月がピーク。もしかしたら12月までもつれ込むかもしれないが、来年1月から大型物件は引き合いがなくなる。3月末までに完工できる小型物件が増えそうだ。
しかし、職方の手配や商品の確保が難しくなる。増税分負担などの現象も覚悟しなければならない。3月以降の引き合いは激減する。打つ手も見当たらないのが、残念ながら現実。