平成25年11月28日(No6188)   消えた小沢一郎

消えた小沢一郎

怪しげな猪瀬直樹東京都知事の5千万円受領事件は、政治資金規正法には掛からないらしい。これまでの例から見て大抵の場合、秘書止まりで済んでいる。そういえばもっと悪どい違反をして不起訴に終わった小沢一郎はどうしているのか。犬の遠吠えのように反自民の結集を呼びかけているが、もはや相手にする政党はない。大改革など夢物語にもならない。

 

かつては辣腕を振るって非自民8党会派による細川護煕連立政権や、民主党の政権奪取も理念や政策の一致ではなく数の力で押した。結果的に不起訴に終わったが、総理になる直前に代表の座を追われた。そこではせっかく政権を勝ち取ったにもかかわらず、反主流派になって政権をかき乱した。決められない政治の張本人となって日本の政治を停滞させた。

 

昨年の総選挙では民主党を離党し「未来の党」を結成したが、121人を立候補させたものの当選はわずか9人。公示前の勢力62人から大きく後退した。7月の参院選では当選者ゼロと惨敗した。あれだけ権勢を振るった政治家の末路としては余りにも哀れである。民主党政権で首相として君臨していたら日本はどのようになっていたか考えると興味は尽きない。

 

小沢一郎と同じように郵政改革で一世を風靡した亀井静香はどうしているのか。最近は姿も見せないし、マスコミに登場することはない。政治とは不思議なものである。政策の一致がなくても数が第一義で動くこともある。しかし、与野党が数の差で対立するケースが減っている。何でも反対では国民に支持されなくなった。総与党の場面もしばしば見られる。

 

小沢や亀井と相対した小泉元首相は原発廃止で注目を浴びている。第一線を退いてもなお影響力を持つことは、政治家として本懐であろう。小沢も亀井もこのまま消える。哀れだ。

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