平成25年11月30日(No6190) 伝わる文章
伝わる文章
親子農業体験塾『志路・竹の子学園』は、平成25年11月、創設10年を超えた。若干の自己顕示欲も手伝っていくつかの分に過ぎる記念の行事など行った。その一つが世話人らの功労に報いる記念碑の建立。除幕式には超多忙の中田宏・衆議院議員の手を煩わした。わがままの極みである。もう一つは記念誌の発行である。望みを叶えるには素人の手に余る。
悩んだ末「ジャパニスト」の高久多美男編集長に制作を一任した。正解だった。構成と文章にプロの真髄を見せてもらうことになる。これまで10冊に余る小冊子を自費出版で発行してきた。それなりに自負するところはあったが、制作過程でアマチュアの拙劣さを思い知らされることになる。プロの文章はいつも読んでいる。それは読むだけでしかない。
記念誌の中に「把手共行(禅語)」というタイトルで人間解剖のコーナーがある(取材・文/高久多美男)。原文を校正する役割を与えられた。己のことが書かれているのだから視点が違う。プロの凄さを思い知らされた。これまで書いてきたものが、読者に正しく伝わっていたのか。アマチュアだから許されるとしても、あまりにも拙い。穴があったら入りたい。
何故伝わりにくいか。①句読点にメリハリをつけ長い文章にしない。②難しい単語は使わない。③形容詞を多用しない、④事実と推測を混在させない。⑤説明をだらだらしない、⑥刺激する、など心掛けたつもりだが、その程度の軽い思いでは読者の心に届かない。誤字、脱字、漢字や仮名の使い方、重ね言葉など、枝葉末節のテクニックではない。感性が劣る。
1万2千字を超える力作だが、わずかな緩みもない。無駄な文章は遠慮会釈なく削ぎ取っている。校正作業は教わることが多かった。忸怩たるモノはあるが、怯まず再挑戦したい。