平成25年12月12日(No6202) 広島県の経済
広島県の経済
日本銀行広島支店は「広島県の景気は緩やかに回復している」と発表した。需要項目別に概観すると、輸出が自動車を中心に増加しているほか、公共投資も増加している。また設備投資は持ち直しており、個人消費も底堅く推移している。一方住宅投資はこれまでの増勢が一服している。生産は持ち直し、雇用情勢は緩やかに改善、雇用者所得は引き続き弱めに推移。
昨日、旧知の工務店の社長が訪問してくれたが、さっぱり引き合いがないと嘆いていた。手の打ちようがないという。現実にアベノミクスは頭の上を素通りしているのか、あるいはまだ地方まで届かないのか、好況感はまったく感じられない。資力のある大手は派手なチラシ合戦が出来るが、手元資金に余裕のない零細では太刀打ちできない。このままでは危うい。
でも何も出来ないと話していた。新設住宅着工件数では持ち家は増加しているが、高水準が続いていた分譲マンションが、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の一巡もあって前年割れとなった。全体としても前年を下回った。百貨店売り上げは持ち直しているが、スーパーは一進一退で低迷している。リフォーム業の実感としては、足場、生コン、資材が逼迫。
大工職も足りない。仕事を持っていても消化しきれない場面がある。海外旅行は中国、韓国が激減し、日本に好意的な台湾が急増している。ハワイやヨーロッパは堅調に推移している。マツダの自動車は新型車の輸出が好調。関連企業はフル操業を続けている。景気頼みで商売が出来るほど環境は甘くない。旧知の社長はそう嘆いて帰ったが、どうするのだろう。
12月に入ってお客様に出すお礼はがきの枚数が激減している。このまま年末年始の不需要期を迎えるのか。1通あたりの客単価は目を覆うばかりの現状。踏ん張りはこれからだ。