平成25年12月22日(No6212) 猪瀬都知事が辞任
猪瀬都知事が辞任
東京都の猪瀬直樹知事が12月19日、都議会に辞職願いを提出し、記者会見で都知事を辞職する旨を正式に表明。昨年の12月16日の都知事選挙で433万8千票という空前の支持を受けて当選し、わずか1年で辞任に追い込まれた。身から出た錆ではあるが、2020五輪の承知に成功した功労者が、汚濁にまみれて消えていく事実は残念でならない。
徳州会から借り受けた? 5千万円のいきさつが白日のもとに晒され、キチンと弁明できなかったのだから仕方がない。政策には精通していたが、政治家としてアマチュアだったと言い訳している。政治の世界では権力を持つものが、特定の業者に便宜供与をはかり謝礼を貰い受けるのは許されるべきではないが珍しくない。彼は下手を打ったのではない。
徳州会前理事長の徳田虎雄氏が当時の猪瀬副知事に会い、売却の決まってた東電病院の取得に便宜を図るよう依頼、猪瀬副知事はこれを了承し、5千万円の謝礼を受け取った。それが運悪く暴露され議会の追及や司直の捜査に発展しそうな事件になった。推測でしかないがこれまで明らかになった事実を見ても、まことにオーソドックスな汚職事件ある。
職務権限を持つものが請託を受け、その結果として現金を受け取った。単純な贈収賄の典型である。本人としては現金を持ち運びし万全の手配りをしたのだろうが、運悪く別の事件で特捜の手が徳州会に入ることになった。万全を期した積りが事件になった。猪瀬さんは仰天したに違いない。慌てふためいた心の動揺が玉の汗を生む。天網恢々疎にして漏らさず。
権限を持つものは謙虚でなければならない。法に反したら罰を受ける。それがまっとうな世の中だ。やがて東京地検特捜部の捜査を受ける。栄光の頂点に立ちながら奈落に落ちる。