平成24年9月15日(No5749) 歴史の愚を繰り返すな
歴史の愚を繰り返すな
時を同じくして民主党と自民党の代表選がスタートした。民主党の争いはマイナーで取るに足らないが、自民党は歴史の転換期を迎えている。谷垣禎一総裁は一夜にして闘志を失い、出馬を断念した。社会補償と税の一体改革を目指した三党合意のいきさつと参院の問責決議の自己矛盾を考えれば、出馬表明をする以前に責任を取って辞退すべきだった。
少し読みが甘かったのか、石原伸晃幹事長との間に繰り広げられたバトル後の出馬断念とはみっともない。チキンレースに勝った石原幹事長が立候補声明をしたが、これは筋が通らない。解散に追い込めなかった、問責決議の自己矛盾、これらの責任の大半は総裁と幹事長二人にある。総裁は有罪だが、幹事長は無罪、というのは良識ある社会では通用しない。
新聞報道などによると谷垣さんは、悪名高い自民党の長老たちに詰め腹を切らされたらしい。もはや何の価値もなくなった派閥のオーナーの鼻息をうかがう国会議員は反吐が出るほど情けない。石原さんは派閥のボスや長老たちに評判がいいらしい。何でもお伺いをたて相談するからだという。そんな石原さんが総裁になるようだと自民党は終焉を迎える。
あれやこれや考えると次の総選挙は選びやすい。石原伸晃を自民党総裁に投票した候補者をボイコットすればいい。彼らは派閥主導の政治、長老支配の政治を認めたことになる。役立たずを落選させれば、少しは日本も良くなる。有力と伝えられる石原、石破茂、安倍晋三の三氏は、国家観や歴史観で相容れないところがある。政界再編の兆しも見えそうだ。