平成23年12月2日(No5461) 日本人大関が続けて誕生
日本人大関が続けて誕生
九州場所で10勝5敗の稀勢の里が大関に昇進した。慣例では関脇三場所の勝ち星が33勝以上だが、白星が一つ足りない。そのためモヤモヤがあるようで祝賀行事にも悩んでいるらしい。しかも審判部は千秋楽を待たずに昇進を決めたというから、重箱の隅をつつくマスメディアはいちゃもんをつけている。少しは商業政策も加味されているようだ。
でもいいではないか。ロートル大関ではなく上り坂の若手だから先が楽しみだ。しかも先場所昇進した琴将菊も、今場所昇進の稀勢の里も、無敵の横綱・白鵬と五分に戦える逸材だ。来年中にはどちらかが横綱に上がる可能性を持つ。国技館の三階には優勝額が掲げてあるが、残念ながら日本人力士の額は一枚もない。かつての柏鵬時代、若貴時代が懐かしい。
八百長事件などの不祥事もあったが、九州場所の不入りは情けない。九州場所の初日でさえ、升席Bはがら空きだ。砂被りでも空席が目立った。これだけ観客の入りが悪いと、ますますファンは離れていく。稀勢の里の大関昇進は、慣例には満たないものの、相撲人気を考えれば時宜を得ていると思う。強い外国人横綱、弱い外国人大関には飽き飽きしている。
今年の初場所の千秋楽には国技館で君が代を歌ったが、来年は日本人力士のために大声を張り上げたい。人気の高見盛も復活の兆しを見せているし楽しみは多い。若い日本人大関に精いっぱいのエールを届けたい。プロ野球はホークスが日本一になりファンを湧かせた。閉塞感が日本全土を覆っている中、せめてプロスポーツは国民の心を沸き立たせて欲しい。