平成26年1月16日(No6237) 殿、ご乱心
殿、ご乱心
たちの悪い冗談だと思っていたが、細川護煕元首相が東京都知事選に出馬することが本決まりになったとメディアは報じられている。いまさら老人の出番でもないと思うが[脱原発]を旗印に掲げて戦うという。そこへ最近「脱原発」で突如売り出した小泉純一郎元首相が後押しするというから只事ではない。まるで亡霊が二匹暗闇から這い出したようなものた。
もともと彼らは現役の政治家ではない。細川さんは平成5年7月の衆院選で自民党を過半数割れに追い込み、非自民の連立政権を樹立された。佐川急便との不透明な資金のやり取りで立ち往生すると、実にあっさりと政権を投げ出した。潔くというよりも淡白な所作だった。その後、小沢一郎氏などと新進党を結成したが、再び不祥事で国会議員の座も捨てた。
しばらくは安泰だろうと思われた猪瀬直樹都知事が、徳州会とのお金のやり取りで辞任した。新しい知事の選挙は2月9日投開票される。脱原発は大切なテーマであるが、少なくとも東京都のメインテーマではない。国の問題に口出しするなとは言わないが、為すべき問題が山積している。難しい問題は横においてワンイシューで都民の歓心を買うのは卑怯だ。
民主党も紆余曲折しながら、党の再生を賭けて細川さんを担ぐという。二転三転するのはお家芸だから見慣れているが、こんな体たらくでは政権奪取なんて絵空事でしかない。高齢だからダメというのではないが、2020東京五輪のとき細川さんは82歳になる。顔のことは言うのは失礼だが、細川さんは東京の顔としては老いすぎている。表に出す顔ではない。
つくづく考えると日本には勝れた政治家が少な過ぎる。もっと気鋭の東京の顔はいないのだろうか。何故ここまで政治家の質が低下した! この機会に改めて考えるのも悪くない。