平成26年3月12日(No6292) 東日本震災3年、風化が進む
東日本震災3年、風化が進む
東京都町田市に暮らすAさんは10数年来の掃除仲間である。数年前までは「中田ひろしと共に日本を良くする万縁の会」の会員だった。最近は会費の納入が途絶えているので事情を訊ねた。少しでも余裕があれば東日本震災のボランティア活動の経費に充てているという返事。彼女は独り暮らしの高齢者であり生活は年金に頼っている。決して豊かではない。
Aさんは月に一度は石巻に出向いてボランティア活動に従事している。かつては数名の仲間がいたが、いまでは独りぼっちになったという。ボランティアの経費は1週間に3日ほどコンビニのパートで稼ぐ。往復の旅費と宿泊費がたまったら出かけるそうだ。なぜと聞くと困っている人を見捨てられない。自分で役に立つことがあれば、身体が動く限り続ける!
Aさんのような人は稀有だ。震災から3年を経過するが、復興は遅々として進まない。安倍首相もひんぱんに現地を訪れているが、その熱意ほどカタチになっていない。多くの人が東日本の復興に関心を持ち、被災者の幸せを願っていると思うが、残念ながらAさんのように行動で示す人は少なくなった。ボランティアの数を見ても激減している。風化が著しい。
平成23年3月から平成25年12月までの2年9カ月で延べ133万人強の人がボランティアとして現地入りした。23年には95万8千人の人が被災地に 入ったが、24年は25万7千人にまで減少。昨年は11万8千人にとどまった。誰もが東日本の現状を他人事ではないと思っているだろうが、交通費や宿泊費 がネックとなり活動を断念した人が多い。
資金面で志のある人を後押しし、被災地で継続的な活動ができるよう支援を行うことが必要だ。もしも受け入れてもらえれば、Aさんに僅かでも活動資金を支援したいと思っている。