平成26年3月3日(No6283) 安佐市民病院移転が頓挫
安佐市民病院移転が頓挫
安佐市民病院の老朽化に伴い広島市の松井一實市長は新しい場所への移転新築を目論んでいたが、去る2月24日の市議会本会議で否決され出直しすることになった。昭和55年に建てられた現在の病院は、住宅地の近くにあり極めて交通の便がよい。それにも関わらず松井市長は、3㌔も離れた場所に土地を取得し移転を望んだ。地域の活性化のためという。
長い方に巻かれる議員が多いのは何処でも変らないが、珍しく今回の市長提案は紛糾した。移転などというものは賛否両論が火種になり、何事によらず利害が対立する。松井市長がなぜ新築にこだわったのか不思議で仕方がないが、現在地に建て替えで進めればこれほど紛糾しなかっただろう。努力を重ねると記者会見で述べていたが、白紙に戻ったのが現実。
移転させ跡地の利用で誰かが甘い汁を吸うという風評もあるが、松井市長の言い分に正義があるのなら進め方を誤ったとしか言いようがない。姑息な議会の数対策など後回しにして、市民の理解を求めるのが先決だ。反対論が渦巻く中で議員の数集めをしても、議員が議員であるためには選挙対策が欠かせない。市民の賛意がなければ議員も選挙のためなら裏切る。
市長もここに来て器の小ささを露呈したというか、まだ個々の議員対策に終始している。このままで行くと次の選挙は危うい。これまで支えてくれた議員の大半は、おおむね反対派が多い。市長がどれほどの権限を持っていたとしても、議員を動かせなければ重要案件は成立しない。なにやら紛々とした臭いのする怪しい移転案件は、おしゃかが自然の成り行き。
私はもちろん反対だ。現在の場所は至近距離にあり、通院も便利だ。新しい場所よりも多くの人に便利を提供している。個人の立場を離れてみても、移転計画はメリットが少ない。