平成30年1月25日(№7549) 増える未婚男女
増える未婚男女
2017年4月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した数字によれば、生涯未婚率は男性が23,37%、女性が14,6%となっている。男性の場合4人に1人は一度も結婚したことがないということだ。また「人口動態統計」から初婚の年齢を見ても2013年時点で夫が30,9歳、妻が29,3歳と晩婚化かが進んでいることが分かる。なぜそうなったのか。
長期間の不況の影響で所得が、増えなかったからという説もある。昔はお金持ちの若者が多かったかと言うとそうでもない。単に所得や不況の問題とは別の理由があると考える方が普通だろう。経済学でも最も重要な概念は、人生において何かを選ぶということは何かを捨てるということ。結婚そのものの価値が適齢期の男女間で低くなっているのではないか。
昔の農家は別として男性と女性が生み出す価値を、男女間で交換するという意味合いがあった。男性が外で稼いで生活の保障をする代わりに、女性が家事全般を担当するといった具合である。女性の働く機会が増え収入が増えた。結婚することで得られるものより、失うものが大きいと考える人が増えてきた。結婚するよりしない方がいいと考える人が増えた。
あらためて結婚しないよりする方が経済的に得だと考えられる。結婚するかしないかは、個人の自由だ。長い人生を共に歩んでいくパートナーは決して悪いものではないが、煩わしい人間関係からは自由でいたいということで、独身のままでいるのも自由である。しかし、日本の長い将来を考えるとき、結婚し子供を産んで育てて欲しいと願うのも自由である。