平成24年8月30日(No5733) 大企業の体力
大企業の体力
世界に冠たる大企業のシャープが危ないそうだ。今期の決算は連結売上が2兆4558億円、損失が3760億円。来期も2500億円の赤字を見込んでいるとか。所帯が大きすぎてピンとこないが、それでも倒産しないのは大した企業体力だと感心する。しかし、前途が真っ暗だとすれは、雇用には当然のこと、地域経済にも大きな影響を与える。
広島県は外注・下請企業が60社で全国5位の影響を受ける。いずれにしても雇用にも障りがあり、東広島市はエルピーダメモリに続くシャープショックが起きる。東広島の工場には1723人が勤務している。取引先の数字を見ても天文学的でその影響力は想像もつかない。一次仕入先が2031社、二次仕入先は6464社、総従業員数は420万人に及ぶ。
サンヨーブランドはとうに消え、パナソニックも苦吟している。シャープは人員整理、資産売却、主要な事業まで売却し、さらに外国企業の支援を受けるべく動いているが、株価の暴落が響き交渉は進まないそうだ。銀行からの緊急融資も検討されている。液晶テレビや液晶ディスプレイ、太陽電池など世界最大規模の生産能力を持つ工場はどうなるのだろうか。
広島のマツダがフォードの支援を仰いだ不況から20年を超えるが、マツダ関連の従業員のリフォーム意欲は未だに落ちたままになっている。地域の消費に与える影響は致命傷になるほど大きい。業績が急速に回復するとは思えないが、地域経済と雇用に関しては影響が最小限になるよう願いたい。今のところ具体的には見えないが、注意は怠れない。