平成29年11月21日(№7484) ビジネスの指標
ビジネスの指標
安倍さんは好景気が続いているというが、地方の零細企業にとってはバブルの終焉期に似ている。ビジネスには「売上」「利益」「シェアー」などいくつかの指標があるが、辛いときには欲張りがいけない。あれもこれもと社内に指示命令すると、結局あぶはち取らずになってしまう。当時、何に重点を置いたかというと、売上、シェアーより利益率の確保を目指した。
これは成功した。銀行も決算書を見ながら「利益率をしっかり確保していますね。これなら回復も早い」と好条件で融資をしてくれた。他社が安売りに奔走していた時代だから、仕事がなくなるのではないかと恐怖した。「売上」と「シェアー」を捨てたから、「利益率」を取ることが出来た。その大切さをどのようにシンプルな言葉で部下に伝えられるか。課題だ。
「捨てる」決断はリーダーしか出来ない。「捨てる」ものと「守る」ものを分かりやすく伝える。しかも繰り返し繰り返しだ。そうして相互理解しないと、組織全体で徹底的に共有すべき価値観が不明確になってしまう。リーダーが愚直に「当たり前のこと」を語り続けることで、図太い背骨の通った経営が出来る。もう一つの大切は一位を目指すことが分かりやすい。
先日、社長から今期の決算について説明があった。売り上げの確保には苦労しているが、利益率はしっかり確保している。人口減の市場縮小時代だから簡単に売り上げが戻るとは思わないが、利益率第一の体質さえ守っておれば、少なくとも生き残りは出来よう。同業他社は相変わらず安売りに徹底している。怖い思いをしながら競争しているが、果してどうか。