平成29年11月12日(№7475) 静かになった野球界
静かになった野球界
日本シリーズはパ・リーグのソフトバンクが制し、ドラフトも巨人など可笑しな選択もあったが終わった。残るはリーグのMVPだ。昨年の広島は里帰りの新井貴浩が選ばれたが、記録の上では根拠が薄い。疑念を持ったファンも多いのではないか。RC(Runs・Created)というセイバーメトリクスの指標を見てもよく分かる。新井は10傑に入っていなかった。
多くのカープファンも嘆いたと思うが、済んだことは仕方がない。今年こそは、安打、長打、本塁打、四死球、盗塁、盗塁死、三振、犠飛、犠打というオフェンス面の数字を一定の係数をかけて算出した打者の総合指標だ。RCが100を超えればMVP級と言える。今年のセ・リーグRC10傑のトップは、2位の筒香を離して「丸」が素晴らしい数値を残した。
2位が筒香、3位が田中、4位がマギー、5位がロペスだ。丸は最多安打のタイトルをロペスと分け合ったが、打率は5位、打点は92で第3位。好成績だが突出している訳ではない。リーグ4位の83四球に13盗塁、各分野にまんべんなく高い数字を残している。本当に貢献度が高いのはこういう選手ではないだろうか。日本ではなかなか理解されない。
RC第3位には田中広輔がいる。第6位には鈴木誠也もいる。打ってよし、走ってよし、選んでよしという手数の多い選手が縦横に暴れたのが、ダントツの優勝の要因である。残念ながら投手は、先発、救援と突出した選手がいない。どのように考えても今年のMVPは丸で決まりだ。もう来シーズンのキャンプインまで大きな話題はない。広陵の中村が期待だ。